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お買い物イベント 開催しました

2019.12.18(水)

入所中、入院中の方対象の、お買い物イベントが開催されました。
このイベントは、入院・入所中でなかなかお洋服などのお買い物が難しい方へ、業者協力のもと、病院内にお店を開いてしまおう、というイベントです。

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本格的に寒い季節がやってきて、あたたかい衣類がちょうど欲しい季節・・・。
たくさんの方が、おしゃれなお洋服を前にウキウキでショッピング♪

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いつもは無機質な病院の会議室が、おしゃれなショッピングストアに変わって、職員もびっくりです!

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ぬいぐるみや肌着、タオル、リハビリシューズなども売っていました。

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店舗入り口には、クリスマスらしい飾りつけも。
お買い物の気分が上がりますね。(*^▽^*)

50名程度の、入院・入所者さん、その家族の方が参加していただき、終始にぎやかにお買い物を楽しんでいただけました。
なかには、「気に入った洋服がありすぎて、予算を超えちゃったわ」なんて方も!

次回は春ごろを予定しており、通所リハビリテーションや、ご近所の方にも、ぜひご利用いただければと思っています。











パニック障害 〜突然襲ってくる不安発作〜

2019.12.15(日)

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強い不安や動機・息苦しさに突然襲われ、その後も同様の不安の発作に悩まされている方がいます。ある研究結果では生涯のうちにこのような発作が起きる可能性は全人口の1〜4%となっています。この突然襲ってくる不安の発作を「パニック発作」と言います。

 

パニック発作の症状

・強い不安、恐怖感、呼吸できないような息苦しさ

・動悸、手足のしびれ

・発汗、嘔吐、めまい感

酷い時には失神や過呼吸も起きます。病院に救急搬送されて心電図などの検査を行っても何も異常はみられません。多くの場合、1時間程度で発作は自然におさまってしまいます。

 

パニック発作はいつ起こるか

パニック障害でみられるパニック発作の特徴は、きっかけが無く突然起こることです。また、睡眠中に起こることもあります。それ以外にも、焦った時、空気が汚くて騒音が激しい状況や、初めてパニック発作が起こった時と同様の状況の時に、発作は誘発されやすいと言われています。

 

いつ発作が起こるか分からない恐怖

一度このような発作が起きると、その後もきっかけもないのに同じ発作を繰り返すことがほとんどです。そうすると、またいつパニック発作が起こるか分からない、と常に不安になってしまいます。この不安を「予期不安」と言いますが、この不安のために生活が制限されてしまうことが多いのです。

いつパニック発作が起こるか分からない不安・恐怖から、1人で外出すること、特に緊急の時にすぐに助けが求められない場所(飛行機、高速道路、人込みなど)に行けなくなってしまい、ひどい時は、家から一歩も出られなくなる子こともあります。

 

パニック障害はSSRIという抗うつ薬や抗不安薬を服用する事で直すことが出来ます。このような不安をお持ちの方は、ぜひ精神科に相談してみましょう。

 

※南東北グループ広報誌「南東北」327号より 抜粋









冷湿布と温湿布の違い 使い分けについて?

2019.12.10(火)

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ねん挫や膝痛、腰痛などでドラッグストアに売っている市販の湿布を購入する方も多いと思います。ドラッグストアに行くと、様々な湿布薬の商品が陳列棚に並び売られていますが、そんな時に「冷湿布」(クールタイプ)にすべきか、「温湿布」(ホットタイプ)にすべきか、迷う方も多いのではないでしょうか。

きちんと特徴を知り使い分けをすることで、効果的に使用することが出来ます。

今回は、冷湿布と温湿布の違いについてです。




冷湿布・温湿布それぞれの特徴


《冷湿布》

性の痛みの緩和に効果が有り、筋肉痛やぎっくり腰・ねんざなどに効果が期待できます。

抗炎症効果や鎮痛効果などが得られ、炎症・痛みの抑制を狙えるでしょう。

炎症がある・腫れている・熱を持っている時は、冷たい冷湿布がおすすめです。

《温湿布》

性的な痛みに効果があり、肩こりや腰痛・神経痛などに効果が期待できます。

主に、血行の改善を狙った湿布で、血液循環の改善および新陳代謝促進をもたらし、関節・筋肉の鎮痛効果が得られます。患部をお風呂で温めたり、撫でたりさすったりして気持ちが良い時は、温湿布がよいでしょう。


 

成分は同じことも

湿布を貼った時に冷たく感じるのはメントール、温かく感じるのはトウガラシ成分のカプサイシンの働きによるものです。

これらの成分は、皮膚への刺激によって痛みの感覚を紛らわせる役割を果たしています。このため痛みそのものを改善する成分は、どちらの湿布も同じ消炎鎮痛剤を使用しているので薬としての効果は同じ。冷湿布と温湿布でまったく同じものが配合されている、という商品もあるのです。

 

基本の使い方を参考に、心地よさで選んでも良い

一般的には、痛み始めや幹部が腫れて熱を持っている状態(特に打撲やねん挫)であれば「冷湿布」、患部が冷たい状態(特に慢性的な肩こりや腰痛)であれば「温湿布」を選ぶのが基本です。

 冷湿布と温湿布のどちらを選ぶべきか迷ったときは、まずは基本的な使い方を目安に、そのうえで貼った時に「冷感」と「温感」のどちらが気持ちいいか?とする心地よさを感じるほうを選ぶとよいでしょう。

 

冷感・温感効果の作用時間

湿布の冷感や温感は、貼ってしばらくすると、薄まってきます。しかし、このことと湿布が実際に作用している時間とは一致していません。商品の説明書には、湿布の効果が保たれる時間が記載されているので、それを確認するようにしましょう。

 また、湿布薬を使うときは以下について注意して使用しましょう。

1)同じ場所に長時間貼らない

2)入浴の1時間前にはがし、入浴後は(特に温湿布の場合)30分くらい経ってから貼る

3)貼ったままこたつや電気毛布などで温めない

 

※南東北グループ広報誌「南東北」327号より抜粋

※阿武隈時報社 家庭の医学掲載














認知症高齢者の性格・人格の変化とその接し方

2019.12.08(日)

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認知症は、脳や身体の疾患を原因として、記憶力・判断力・人とのコミュニケーションなどに障害が起こり、日常生活に支障をきたす状態をいいます。

その症状は記憶障害など主な中核症状から、それに付随する徘徊や多動、暴力暴言など様々で、その中の一つに、性格や人格の変化があることが分かっています。

認知症の方の性格の変化の例と、その接し方についてまとめてみました。


 


悲観的なことばかり言う 

 

 高齢者の中には「死にたい」という言葉をよく口にする人がいます。

 

 身体機能が低下し、何をするにも家族や周りの人に手助けが必要になった時、そんな気持ちになるのは無理はないものです。そんな時には、状態にもよりますが、認知症専門のデイサービス等が役に立つ場合もあります。しかしうつ病の場合もあり対応の仕方が異なりますので、専門の医師に相談すべきでしょう。

 

 

 

 何を勧めても、無気力 

 

 自分の体が思うように動かなくなった高齢者にとって何をするのも嫌がったり、億劫がるのは無理のない事ですが、何を勧めてもしようとしないのが億劫だからとは限りません。

 

 認知症の疾患で脳の一部の損傷により内容が理解できていない場合が多々あり、無気力になる場合があります。その高齢者によくわかる説明の仕方を工夫したり、出来ないところを見極めさりげなく一緒に行動しましょう。又、本人が以前のようにうまくは出来なくなっていることを見られることが恥ずかしいなどの自尊心から行動に移せない場合もあることを理解しましょう。

 

 

 

 能面のように表情がなくなる 

 

 認知症の病状の一つでもあり、症状が進むと物事の理解力や感受性が鈍くなります。

 

その結果、症状がなくなり能面のような顔になってしまう事があります。そのような場合はこちらから積極的に話しかけたり、デイサービスを利用したりして、より感動を得られる状況を作りましょう。また、抑うつ状態と思われる時には専門の医師に相談しましょう。

 

 

 

 気分のむらが激しくなる 

 

 認知症が進むと知的な部分や抑制力の衰えから、気分のむらが激しくなる症状が出る人がいます。

 

そのような時は焦らず、本人の気分を変える事が第一です。日頃から何か一つは気に入ったものや興味を引く事を介護者は見つけて置き、感情が激しくなった時などにそれを出すのもよいでしょう。また、スキンシップなど人とのふれあいが大切です。

 

 

 


 子供や赤ちゃんを見ると穏やかになる 

 

 認知症の症状でご本人の記憶が若い時代に戻る場合があります。

 

その時はご本人が子育ての時代に戻って赤ちゃんを見て穏やかになられているので、介護者側もその当時のお話に共感して穏やかな時間を持つことが安心につながります。



性格がきつくなることも

 

脳の中のバランスを保とうとする部分に偏りができ、優しい性格と強い性格のバランスが取れなくなるため、偏りができます。

 



 

人柄や性格の変化を感じたら

 

 認知症のいくつかの型や統合失調症など、人格障害をきたす病気もありますが、明らかに人格が変わったと考えられたときは、専門医に相談しましょう。

 

 中でも人格変化が著しい認知症として、ピック病が上げられますが、無理に治そうとしても障害からくる症状なので効果はありません。介護者側が病気の特徴を理解することで、適切なサポートが可能となりますので、専門家とともにケアしていくことをお勧めします。

 

 

 


当院では、認知症の診断・治療を行う「脳の健康外来」の診察を行っています。


脳の健康外来のお知らせはこちら


毎週木曜日 8:30〜12:00 受付

医師:酒谷薫


診察は予約不要です。まずはご相談ください。
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その他の「認知症高齢者への接し方」の記事

認知症高齢者への接し方 BPSD(周辺症状)への対応

認知症高齢者への接し方 日常生活でのトラブルと対処法

〇 認知症高齢者への接し方  徘徊への対応 

















認知症高齢者への接し方  性的な言動にあったら

2019.12.04(水)


車椅子移乗時にお尻を触る、入浴介助時に卑猥なことをいうなど、認知症高齢者のセクハラともいえる行為に、介護者はどのように接したら良いでしょうか。


 

いやらしいことを言われたら?

 

そのような時には、さりげなく受け止め、自然に話題を変えるようにしましょう。

 

 高齢者が変な目つきで人の体を見たり、いやらしい事を口にする行為は認知症によって知的な抑制が外れたとも考えられますので、専門医に相談しましょう。

 

 

 

  性器を見せたがる場合は? 

 

そのような時には、さりげなく受け止め、自然に話題を変えるようにしましょう。

 

 性器を見せたがる行為のように見えても、いろいろなケースがあります。おしりがかゆい、オムツがぬれている、トイレに行きたい等、何か下着を脱ぎたがる原因があるかもしれません。自分の性器を触らせようとした場合はさりげなく手を引くようにしましょう。軽蔑したり乱暴に振舞うと、行為がエスカレートする事があります。

 

 

 

  性行為を迫ってきたら? ● 

 

 高齢者にも性的欲求はあります。

 

しかし、相手を見分けられず性行為を迫ってきた場合は、落ち着いて毅然とした態度ではっきりと拒否しましょう。夜をぐっすり眠れるように、昼間の生活を考えましょう 。






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認知症の方への接し方 日常生活でのトラブルと対処法

2019.12.04(水)

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認知症高齢者との日常生活の中で、このような経験はありませんか?

日常生活の中のトラブルの例と、その上手な対処法についてご紹介します。




●電気製品が使えなくなった ●

 

 高齢者にとって電子レンジや食器洗い機等の最近の電化製品は認知症でなくても扱いにくいものです。

 

 若い人には便利に思える音声案内など機械がしゃべるというだけで混乱を招くでしょう。難しい操作を無理に教えようとせず、手で食器を洗う等、昔から体で覚えた事が今までの生活の継続であり混乱が生じません。残存能力を維持する良い面にもなります。また、説明書の字を大きく書き直して認知症の方が理解できる部分を支援するのも一案です。

 

 

 

おつりの計算ができなくなった

 

 認知症高齢者のなかには、買い物をしてもおつりの計算ができなかったり、おつりをもらうこと自体を忘れてしまうことも少なくありません。

 

 買い物には家族が付き添うか、買い物の店が決まっている場合には、店の方に状況を説明して協力を求めることも必要になってきます。買い物自体を制限することは、あまり好ましいとはいえません。 計算ができない認識があるために、高額紙幣を出され計算をしないで、おつりを受け取られることもありますので一緒に買い物に行く際には注意して見られると良いでしょう。

 



セールスに何でも買う約束をする

 

 日中独居の高齢者で家に来たセールスから何でも買ったり、契約したりする人がいます。

 

 認知症の高齢者に対し物を売りつける行為は悪い事ですが、売る方が認知症である事がわからない人もいて、必ずしも悪いとも言い切れません。対処法としてはとにかく不要な買い物や不当な契約とわかった時点ですぐに取り消す事です。クーリングオフ制度を活用し、成年後見人制度の活用を検討しましょう。

 

また、印鑑やクレジットカード等は高齢者の身近には置かない事です。また、そのような状況が想定されるときは、地域で地域福祉権利擁護事業といって 見守りや支援をしていただけます。また、成年後見制度の活用を検討しましょう。まずは区市町村の担当窓口や包括支援センターに相談するといいでしょう。

 

 

 

商品を大量に注文する 

 

 認知症のため、注文したことを忘れて、何度も同じものを注文したり、大量に注文したりする事もあります。

 

しかし本人はまったくそのことに悪気はありません。このような場合は、本人を叱っても逆効果です。買い物に付き添うようにしたり、行きつけの店があるのであれば、協力を依頼するようにするのもひとつの方法でしょう。

 

 

 

人の家のものや拾い物を持ち帰る

 

 通りがかりの家の庭の草花や、公共機関の傘立てから傘を持ってきてしまったり、トイレットペーパーを持ってきたりと「収集癖」と呼ばれる症状です。

 

 持ってきた場所がわかる場合にはお詫びに行くことも必要ですし、本人の状況を伝え理解していただくことも必要です。

 



何でも持ち帰り、家の中に集める

 

そのような行為を中止させることは容易ではありません。

 

 少し前の自分の行為を覚えていない事が多いことから、自分が何を集めて、それをどのようにしたのかは覚えていないことが多いです。本人がいない時に、処分する方法もありますが、何を持ってきたか覚えていて、泥棒が入ったと不安になるケースもあるので、見極めが必要です。物がないと不安で何でも持ち帰る方で、あえて引き出しをいっぱいにしておくと安心したというケースもあります。

 

 

 

まだ明るいのに雨戸を閉め戸締りする

 

まだ明るいうちから家中の雨戸を閉めて戸締りをする事を日課のようにしている高齢者がいます。

 

 強盗に対する恐怖心からという場合もありますが、一般的には時間に対する見当識障害と言えるでしょう。まだ明るいから雨戸を閉める必要がない事を説明するのではなく、その高齢者が興味を持てるような事や今までの仕事や趣味を見つけてあげるようにしましょう。または明るくなったので雨戸を開けましょうと声かけ、一緒に行ないましょう。

 

 

 

作り話ばかりする

 

 過去に体験した事柄を断片的にしか思い出せず、それを補おうとする結果が作り話になるのではないかと言われています。

 

 忘れた部分に自分なりの話を作ったり、願望や空想を真実と思い込んだり、過去の体験を混同したりします。たとえ作り話であっても、こちらもその作り話の登場人物になってあげて、先の物語を一緒に作ってあげるという対応で十分です。また、 認知症になってもお話を作れることは素晴らしい事です。

 



大事なものを人にあげてしまう

 

 高齢者が大事にしていたものを他人に上げてしまい、後に「あれは何処にいった」、「盗まれた」と騒ぐ人がいます。

 

これも症状だから悪気はありません。このような事が何度もあるようなら、「おじいちゃんの大事なものだからここにしまっておきましょうね」などと説明し一緒にまとめて保管しておきましょう。また、近隣には認知症の事を話し、もらった事にして預かっていただくように頼んでおけば安心です。

 

 

 

車の運転をやめようとしない?

 

 高齢者の中には以前からしていた車の運転を止めない人がいます。

 

 残存能力によっては可能な場合もありますが基本的には大変危険と言えるでしょう。「車が故障中だから」とか「眼鏡を替えてから」等と言って止めればいいのですが、なかなか止めない場合は車のキーを取上げる等の強行手段が必要かもしれません。




トラブルのほとんどは、認知症の症状と、それに対する恐怖や不安などが要因となってトラブルにつながるケースがほとんどです。


家族だけで抱え込まず、ケアマネージャーや相談員に相談してみるのも大切なことです。

ご本人へのヒントが見つかるかもしれませんし、同じような事例やこれまでの実際の対応策などを紹介してくれるかもしれません。



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認知症高齢者への接し方 性格・人格の変化とその接し方
認知症高齢者への接し方 BPSD(周辺症状)への対応

〇 認知症高齢者への接し方  徘徊への対応 












認知症高齢者への接し方 BPSD(周辺症状)への対応

2019.12.04(水)

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認知症になると、物忘れから始まり、徘徊や暴力行為、興奮、睡眠障害など様々な周辺症状が現れます。

家族、介護者の心身を悩ませるのは、物忘れよりもむしろこれら周辺症状だと言われています。

では実際に生活の場面で、どのような行為として現れるのでしょうか?
周辺症状(BPSD)の具体例と、その対処法をご紹介します。




自分の身体に傷をつける?

 

 自分の身体に傷をつける事を「自傷行為」といいます。

 

 別の精神疾患が発症したと考えられます。治療の必要があるか専門医に相談し、今後の対応方法の指導も受けるべきでしょう。

 

 

 

畳をむしったり、布を裂きつづける

 

 畳をむしる、布を引き裂く等の行為を一日中繰り返す人がいます。

 

このような行為には、手持ち無沙汰や何か目的のある行為と思ってしている。例えば、昔手仕事などのよみがえりやストレスをぶつけている場合もあります。何か興味を引く事をするようにしましょう。割いてもいい布をお渡しするか、他の手仕事を提供しましょう。

 

 

 

火をもてあそぶ

 

チャッカマン・ライター・マッチなどの火がつくものは、目の届かないところに置くなど、火事にならないような配慮が必要です。

 

ガスレンジも不安であればIH式のレンジに切り替えるか、元栓からガスを止めておくか早めに対応しておきましょう。

 

 

 

 

  大声で叫ぶ

 

 高齢者が大声で叫ぶのは、何かして欲しい時や自分の思いが伝わらないなどが考えられますので、何をして欲しいのかわかるようにしましょう。

 

 日頃の不満、不安や身体の不調等が原因になっている事も大いに考えられます。部屋や浴室の寒暖、家具や用具の不具合、便秘、不眠等にも日頃から注意をはらいましょう。

 

 

 

ふいに興奮して騒ぎ出す

 

まずは落ち着いていただくように話を聞きます。

 

それからこの状況が起きる原因を考え、まわりの者が高齢者のペースに合わせ話したり、行動するようにしましょう。また、認知症の高齢者が普通の状態の時に急に怒り出す事がありますが、それには次のような原因が考えられます。(1)本人にとっては急にではなくそれなりの流れがあったにもかかわらず、周囲が気がつかなかった、(2)一連の出来事の中で瞬間的にものを忘れる。ふいに怒ったりするのは物事の流れが連続しないことからくる事が多いのですが、気分が落ち着いている時はこのようなことは少ないのです。高齢者にとって周りの出来事は理解するのにテンポが速すぎるのです。

 

 

 

「誰かが襲ってくる」と騒ぐ

 

 本人は恐怖心を持って訴えてきているので否定をせず、じっくり話を聞き、まず安心してもらうことが先決です。

 

 頻繁に起こるようなら認知症以外の病気も考えられるので、専門医に相談することをお勧めします。

 

 

 

人に対して攻撃的になる

 

 感情をコントロールできないことにより出現する症状です。

 

その人が、しようとしている事を止めたり、注意したり、また何らかの刺激で興奮してしまったりすることで攻撃的な行為がみられることがあります。人に暴力をふるったり、暴言を吐いたりしなければならないほどの興奮状態になる場合は、無理に説得しようとせず、温かい声かけをするなど安心できるような対応をしていきます。頻繁に起こるようなら認知症以外の病気も考えられるので、専門医に相談することをお勧めします。

 

 

 

介護者を泥棒呼ばわりする

 

 最も近い人や信頼している人に対して、このような発言をすることが多いようです。

 

 物が無くなったと言われたときは、否定せず同調して一緒に探すことで本人の気持ちをやわらげるようにしましょう。介護者が対応するのが難しいようであれば、家族に協力してもらい、一緒に探すことで、安心してもらうという方法もあります。

 

 

 

暴力をふるう

 

 暴力を振るい始めたらまず、介護者が落ち着くことです。

 

スキンシップをして抱きしめて上げるのも一案でしょう。まず、ご本人の思いを受容することが第一です。日々の生活での不安感や欲求不満等が、暴力行為につながることがあります。家族に男性や力の強い人がいると、つい力で押さえ込もうとしますが、そうすることによりさらに興奮させ、暴力をエスカレートさせることになります。これは症状として出てくる場合もありますので、専門医に相談しましょう。

 



幻覚を起こした時の対応は 

 

 高齢者に幻覚が起きた時はたとえその事が現実にはありえない事でも、高齢者にとっては見えたり聞こえたりしているという事を理解すべきです。

 

 「何も聞こえない」、「そんな人はいない」等と否定せず、話を合わせ、「泥棒がいる」と怯えている場合は泥棒を追い払う動作をするとか、ちゃんと戸締りをしましょうといって安心していただきましょう。幻覚も症状として出てくる場合もあるので、専門医に相談しましょう。

 

 

 

鏡に向かって話しかけたり手招きする

 

 鏡に向かって話しかけたりする行為を「鏡像反応」もしくは「鏡像現象」といい、アルツハイマー型認知症の高齢者に特有の現象です。

 

 鏡という実体を認識できない事によるものと考えられています。鏡に向かって話しかけたり、手招きをしたりしますが症状で酢から承知をして見守りましょう。しかし、中には怒り出して鏡に殴りかかる人もいる場合もあり、ご本人にとって危険ですので、鏡の向きを変えたり、カバーをかけたりするのも良いでしょう。

 

 

 

  テレビのプロレスを止めさせようと興奮する 

 

 最も大切なのは、安心感を与えることです。

 

その事柄を否定すると、否定した内容は忘れても、非難されたという感情だけが残り、気分がますます不安定になります。プロレスや事件など不安になる番組はできるだけ避けるような配慮が必要です。

 

 

 

 

誰もいないのにそこに人がいると言う

 

 本人は恐怖心を持って訴えてきているので否定をせず、じっくり話を聞き、まず安心してもらうことが先決です。

 

 頻繁に起こるようなら認知症の周辺症状の幻覚も考えられるので、専門医に相談することをお勧めします。





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〇 認知症高齢者への接し方  徘徊への対応 














認知症高齢者への接し方  徘徊への対応

2019.12.04(水)

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認知症の症状のひとつに、「徘徊」があります。

徘徊は、本人にとっても危険な行為ですし、行政や近所の人、警察などに迷惑をかけるという思いから、家族にも大変な負担がかかる症状です。
徘徊を繰り返す高齢者の介護者は、精神的にも追い詰められがちですが、徘徊についての理解を深め、正しい対処法を知っていれば、心の負担も少なくなることと思います。
この記事では、認知症の方の徘徊の例と、それぞれのおすすめの対処法の例をご紹介します。




こんな徘徊に困っていませんか?



1.一日中、家の中をうろうろする

 

 一日中、家の中をうろうろ歩き回っている高齢者がいますが、その理由はさまざまです。

 

 自分がやりたい事のために歩いている場合があります。介護者はその理由を見つける努力が必要です。例えば「どうされました?」と声かけてみると、夕食の買い物に行くために出口を探されている場合があります。その時は「今晩の夕食のメニューはどうしましょうか」と聞き、どこかに座って話をし、落ち着かれた例もあります。先ず、高齢者が落ち着いて過ごせるように安心感を与え、自宅でも、施設でも役割を見つけてあげる事です。

 

 

 

2.一日に何回も出歩き、同じコースを歩いてくる 

 

 転倒や交通事故の危険がないようなコースであれば、自宅に帰ってられるまでは見守るのもよいでしょう。

 

 万が一のことを考え、近所の方にも協力してもらうとなおよいでしょう。

 

 


3.雨の中でも履物を履かずに外出する 

 

いつでも靴を履かずに外出するということは、靴を履くという行為を忘れていることが考えられます。

 

そのつど声かけをして靴を準備してあげることや、目の前で介護者も靴をはいて一緒に出かけることで、「外出=靴を履く」ということを視覚的に思い出してもらう方法もあります。

 

 

4.目を離した隙に外出して行方不明になる 

 

 近所の人へ説明し、みかけた時は連絡してもらえるように協力を得たり、公共機関等にもあらかじめ協力を依頼しておくとよいでしょう。

 

そのほか、ケアマネに相談し、デイサービス等のサービス利用も検討するとよいでしょう。氏名や連絡先のわかるものを身につけれると介護者としては安心ですね。ご本人にも「出先で困ったらこれを誰かに見せて」と知らせていくことも有効な場合もあります。

 

 

 

5.夕方になると荷物をまとめ、出かけようとする 

 

 本人の意識のなかには、何か理由があるはずですから、それを根気よく聞いてあげましょう。

 

 自宅であってもご本人が10代の頃に戻っていれば、当時の家に帰ることを望んでいる場合もあります。当時の家があれば行くのもひとつの手です。一周家の周りを回るのもいいでしょう。戻ってきた時は帰宅した事をねぎらい安心した居場所である事を徐々に感じとってもらいます。



 

 

 

 徘徊前に何か兆候のようなものはあるか? 

 

 徘徊が始まる原因によっても違いますが、落ち着きがなくなりそわそわする事が多いようです。

 

 例えば在宅では昔の職業の記憶が戻り新聞配達であった方なら、早朝からの仕事なのでその時に徘徊する場合もあります。施設の場合では年末年始等の人の出入りが多い時などに気持ちが高ぶり徘徊が頻繁になる場合もあります。

 

 

 

 一緒に歩く家族のストレス

 

 徘徊する高齢者は交通事故や転倒等の危険があるため、家族が一緒に歩く事が多いようです。

 

 徘徊に付き合う家族にとっては大きなストレスになります。「ダイエットや自分の健康の為」と気持ちを切りかえて前向きになりましょう。ネットワークやITによるシステムの活用も一案です。

 

 

 


徘徊をとめたい時の声のかけ方は?

 

 自分の家なのに、「実家に帰る」と言い出した時には、「もう遅いからもう一晩泊まってください」等と言い、無理に理屈で説得しないほうがよいでしょう。

 

また興奮して聞かない場合は「送っていきます」と一緒に出てしばらく歩いた後にうまく家に誘導しましょう。戻ってきた時は「お帰りなさい」等のねぎらいの言葉をかけて安心感を持っていただきます。

 

 

 

 

 迷子札はどこにつけたらいいか?

 

 徘徊して迷子になった時の為に住所や電話番号を記した名札をつける方法があります。

 

つける場所は目立たないところは役に立たず、また目立つところは嫌がる場合があるので高齢者の目に触れずに目立つところが良いでしょう。例えば上着の後ろ襟がよさそうです。

 

 

 

徘徊中に注意する事は?徘徊後に注意する事は?

 

 徘徊は高齢者にとってエネルギーを使うものです。

 

 体力を消耗したり脱水症状になる事も有ります。徘徊した後には水・スポーツドリンク・飴玉等を持参しましょう。健康状態を観察する事精神の不安定さをねぎらう事です。

 

 

 

徘徊をなくす手立てはあるか?

 

 毎日同じ時間に散歩する等生活にリズムをつけることで減る事もあります。

 

また、デイサービスで仲間を作ったり趣味を見つける事でも徘徊が減る事もあります。精神の不安定さが徘徊につながる事もあるので、高齢者が穏やかに生活できるようにしてあげましょう。





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健康教室「腰痛・肩こりでお悩みの方へ 健康体操」開催

2019.12.01(日)

「健康体操 腰痛・肩こりでお悩みの方へ」の健康教室を開催します

2019年12月12日(木) 15:00〜16:00

場所は南東北春日リハビリテーション病院 5階会議室
※健康チェックは14:30より開始

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講師は当院の社会福祉士主事が務めます。

肩こり・腰痛の解消に効果的な、自宅でできる体操を、一緒にやってみませんか?

講義の最後は、質疑応答の時間も設けますので、ぜひご利用ください。


ご参加に、予約や参加料は一切いただいておりません。

みなさんふるってご参加ください!

※無料の健康チェックを行っております。
〇血圧
〇血管年齢
〇体脂肪率
〇骨密度計
これを機会に、自身の健康管理にいかしてください。


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