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介護教室 お年寄りの食生活について

2011.03.30(水)

mame_1.gif お年寄りの方はものを食べるという行為に老化現象が現れます。食べ物の味やにおいを感じる感覚が低下し、飲み込む力も弱まり、むせることが多くなります。内臓の機能も衰えますから、栄養を消化吸収する胃腸の働きが鈍くなり、十分な栄養を取りにくくなっています。その他にも麻痺が起こったり、手の力が弱まるため、箸やスプーンなどうまく使えなくなります。

 

【食事は健康維持の鍵です】
 お年寄りの方にとって食事は健康に、元気に長生きをするためにとても大切なものです。年を重ねるにつれて身体が衰えていくのは避けることはできませんが、その人にあった内容と量の食事を摂ることで、健康を保つための土台を作ることができますし、病気を予防したら病気から回復する力をつけることにもなります。身体に良い、おいしい食事を楽しくとることで、より豊かな毎日を過ごすことができるのです。

 

【お年寄りの食習慣を尊重しましょう】
 食事を摂ることは、栄養を取るために必要なだけでなく、誰にとっても欠かせない楽しみの一つです。食事の習慣は、お年寄りの長い人生の中で形成された独特のものですから、食事をいつとるか、どれくらい食べるか、何が好きかなど一人ひとり異なってきます。ですからお年寄りの好みや食習慣に合わせた食事の摂り方を考えることが必要です。しかし、だからと言って同じものしか食べなかったり、食事が不規則になったり、栄養不足や偏りが起きてしまうのは非常に危険なことです。毎日規則正しく、バランスのとれた食事を楽しみながら取れるように工夫しましょう。

 

【自力で食べられるようにしましょう】
 できるだけ自分で食べられるように食事用具を工夫しましょう。麻痺などでスプーンをうまく握れない人のために、柄が太くなっていたり、角度が工夫されたスプーンも市販されています。家庭では、ハンカチやガーゼ、厚紙などを柄に巻いて、持ちやすいものを作ってみてください。箸も滑りやすいものは避けて、竹串や割り箸を利用するのも良いでしょう。食器についても、うまくすくえない人のために、一方の縁がたかくなってこぼれにくい皿が市販されています。また、食べている途中でもうまく食事用具を使えない人には、おにぎりにしたり、サンドウィッチや竹刺しにすると一人で食べることができます。こぼして衣服を汚すことが心配であれば、ビニールのエプロンをかけるという方法もあります。

 

【お年寄りのペースにあった介護をしましょう】
 食べる前に環境づくりをしたり、お年寄りの姿勢を整えたり準備をします。一人で食べられないときには、介助するわけですが、その際、お年寄りのペースに合わせることが大切です。まず食事を見せて説明し何を食べタイの科を確認します。食べ物を口に入れるときも、お年寄りの噛む力や飲み込みのスピードに合わせるようにしましょう。また、口の中や歯の汚れは食欲を低下させるので、食後は歯磨きやうがいの習慣をつけるといいでしょう。

 

【楽しい食事は環境づくりから行いましょう】
 お年寄りにとって、食事の目的はただ栄養を取るだけではなく、家族との触れ合いの場にもなるのだということを考えてみてください。部屋の換気や温度がちょうど良い、照明が明るい、落ち着いて食事ができるなどの条件が満たしているか考えてみる必要があります。お年寄りがリラックスして食事を楽しめるような、環境づくりを心がけましょう。そのためには食事がしやすい姿勢を整えることも大切です。お年寄りの身体を安定させ、テーブルや椅子の高さを調節し、食べやすい位置に食膳を置くようにしてください。

 

【小春日和第75号より】
医療法人社団 三成会
南東北春日リハビリテーション病院


家庭の医学 腰痛について

2011.03.29(火)

 腰痛は国民病と呼ばれるほど、多くの人が悩んでいる症状です。たいていの人は一度は腰痛を経験するといわれています。 ところが意外と腰痛の基本知識を知っている人は少ないのです。まずは腰痛のしくみと原因を理解することが、腰痛で悩んでいる人、予防したいと思っている人にとってとても大事なことです。

【原因】
1.背筋や腹筋が弱い場合
同じ腰への負担でも、背筋や腹筋の強い人と弱い人では違います。
背筋や腹筋が弱い人は、からだを支えきれずにせぼねや背筋に無理な負担となるため、腰痛を引き起こしてしまうのです。
2.腰への負担が大きい場合
女性の場合でいうと妊婦さんは、体重が重くなっているだけでなく、重心が前の方に移るので、からだが自然と反り気味になります。そのために腰にかかる負担も大きく、背筋も疲れ果てて腰痛になってしまうことがあります。
また、おなかの出ている男性も上半身の体重を支えるために、普段の立ち姿勢が反り返っているので腰痛を引き起こすリスクが高いと言えます。
3.お年寄りの腰痛
老化によって骨はもろくなり、椎間板も弾力性を失ってすりへってきます。つまり長年使っている腰椎が弱ってきて、ちょっとムリがかかってもこたえることになります。椎間板の水分が減って弾力性がなくなり、つぶれたようになって、そこに分布している神経が圧迫されたりして腰痛が起こります。
4.心身症としての腰痛
原因が不明のときは心因性の原因が考えられます。生きがいを失ったり、精神的な悩みを抱えている毎日となると、体の悪いところに神経が集中するのは当然のなりゆきです。心因性の原因が関与して腰痛が発症して場合もあるのです。

予防

腰痛防止に効果的な対策として、もっとも基本的なものが正しい姿勢の習得です。立ったときの、悪い姿勢、つまり腰痛にとっての不良姿勢はひとくちで言えばそりすぎの姿勢」です。

骨盤を反りすぎる事によってせぼねの後ろの部分である椎間関節に圧がかかって、関節炎症としての腰痛が起こりやすくなります。また、神経根がせぼねから出て行く部分を椎間孔といいますが、そこを狭くし、椎間板も後方にふくれ出るため、やはり神経根が圧迫されて腰痛、坐骨神経痛が起こりやすくなるのです。じっと立っていてよい姿勢とは、まず左右どちらにもからだを傾けていないことです。

 

 

haruchan.jpg運動治療

もっとも手軽にできるのがウォーキング(歩くこと)です。

ウォーキングの際の基本的な姿勢、ポイントは以下のとおりです

1.からだ全体のフォーム

・壁と背中合わせにして立つ・あごを引いて、視線を数メートル先に置く

・そのままの姿勢で歩き出す

2.上半身のフォーム

・両腕を90度前後に曲げ、力を抜いた状態で手のひらを軽く握る

・胸の前から腰の横の部分までの範囲で、こぶしが行き来するように意識しながら手を振る

3.下半身のフォーム

・支え脚で地面を蹴っていく場合、必ず振り出し脚はかかとから着地する。

・正面から足裏が見える状態にする

4.歩き方のクセを見つけよう

・靴底に水をつけ、乾いたところを歩き、踏み出す脚の方向性や歩き方のクセを見つけましょう。

・通常、進行方向に向かって両かかとの中央の点を結んでいくと直線ができあがる。

・足の開きは、直線に対してつま先部がやや外側(10度前後が一般的)に開いている。

・速く歩くことを意識するほど歩幅が広がるため、かかとはほぼ直線上を歩くようになる。

 

【小春日和第76号より】


Honda「リズム歩行アシスト」の臨床研究を行っております

2011.03.28(月)

 南東北春日リハビリテーション病院は、リハビリテーションを行う患者さんに対し、アシスト機器「リズム歩行アシスト」を利用した歩行練習で、身体の機能向上に有益であるかを検証するため、アシスト機器の開発者である(株)本田技術研究所と共同臨床研究を行っています。

■機能
 ・歩く時の、脚を前に振り出す時と、地面に着け後ろへ蹴る時の動きに合わせ、制御コンピュータがこの歩行タイミングに合ったアシスト力を計算しモータに力を発生します。こうすることで、普段よりも少し歩幅を広げ、楽に歩くことができるようになります。
 ・アシストの調整は、左右の脚に対して、振り出しと蹴りを独立して変更できるため、様々な歩き方に対応できます。

■構造、仕組
 ・腰と、左右太腿の3か所のベルトで身体に装着します。
 ・腰フレーム(M,L)、大腿フレーム(S,M,L)のサイズを組み合わせることで、様々な体型に対応します。
 ・機器の重量は2.4Kgです。
 ・充電したバッテリーで、1時間以上のアシストが可能です。

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リズム歩行アシストの詳細は本田技研のホームページをご覧ください

http://www.honda.co.jp/ASIMO/new-tech/rhythm/index.html

随時研究内容を更新していきます。

研究責任者
南東北春日リハビリテーション病院 リハビリテーション科
平野 雄三


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