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家庭の医学 腰痛について

2011.03.29(火)

 腰痛は国民病と呼ばれるほど、多くの人が悩んでいる症状です。たいていの人は一度は腰痛を経験するといわれています。 ところが意外と腰痛の基本知識を知っている人は少ないのです。まずは腰痛のしくみと原因を理解することが、腰痛で悩んでいる人、予防したいと思っている人にとってとても大事なことです。

【原因】
1.背筋や腹筋が弱い場合
同じ腰への負担でも、背筋や腹筋の強い人と弱い人では違います。
背筋や腹筋が弱い人は、からだを支えきれずにせぼねや背筋に無理な負担となるため、腰痛を引き起こしてしまうのです。
2.腰への負担が大きい場合
女性の場合でいうと妊婦さんは、体重が重くなっているだけでなく、重心が前の方に移るので、からだが自然と反り気味になります。そのために腰にかかる負担も大きく、背筋も疲れ果てて腰痛になってしまうことがあります。
また、おなかの出ている男性も上半身の体重を支えるために、普段の立ち姿勢が反り返っているので腰痛を引き起こすリスクが高いと言えます。
3.お年寄りの腰痛
老化によって骨はもろくなり、椎間板も弾力性を失ってすりへってきます。つまり長年使っている腰椎が弱ってきて、ちょっとムリがかかってもこたえることになります。椎間板の水分が減って弾力性がなくなり、つぶれたようになって、そこに分布している神経が圧迫されたりして腰痛が起こります。
4.心身症としての腰痛
原因が不明のときは心因性の原因が考えられます。生きがいを失ったり、精神的な悩みを抱えている毎日となると、体の悪いところに神経が集中するのは当然のなりゆきです。心因性の原因が関与して腰痛が発症して場合もあるのです。

予防

腰痛防止に効果的な対策として、もっとも基本的なものが正しい姿勢の習得です。立ったときの、悪い姿勢、つまり腰痛にとっての不良姿勢はひとくちで言えばそりすぎの姿勢」です。

骨盤を反りすぎる事によってせぼねの後ろの部分である椎間関節に圧がかかって、関節炎症としての腰痛が起こりやすくなります。また、神経根がせぼねから出て行く部分を椎間孔といいますが、そこを狭くし、椎間板も後方にふくれ出るため、やはり神経根が圧迫されて腰痛、坐骨神経痛が起こりやすくなるのです。じっと立っていてよい姿勢とは、まず左右どちらにもからだを傾けていないことです。

 

 

haruchan.jpg運動治療

もっとも手軽にできるのがウォーキング(歩くこと)です。

ウォーキングの際の基本的な姿勢、ポイントは以下のとおりです

1.からだ全体のフォーム

・壁と背中合わせにして立つ・あごを引いて、視線を数メートル先に置く

・そのままの姿勢で歩き出す

2.上半身のフォーム

・両腕を90度前後に曲げ、力を抜いた状態で手のひらを軽く握る

・胸の前から腰の横の部分までの範囲で、こぶしが行き来するように意識しながら手を振る

3.下半身のフォーム

・支え脚で地面を蹴っていく場合、必ず振り出し脚はかかとから着地する。

・正面から足裏が見える状態にする

4.歩き方のクセを見つけよう

・靴底に水をつけ、乾いたところを歩き、踏み出す脚の方向性や歩き方のクセを見つけましょう。

・通常、進行方向に向かって両かかとの中央の点を結んでいくと直線ができあがる。

・足の開きは、直線に対してつま先部がやや外側(10度前後が一般的)に開いている。

・速く歩くことを意識するほど歩幅が広がるため、かかとはほぼ直線上を歩くようになる。

 

【小春日和第76号より】


キーワード:家庭の医学,背筋,腹筋,腰痛,骨盤

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