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認知症の種類と特徴

2019.10.25(金)

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認知症とは?

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認知症とは、記憶力の低下だけではなく、生後いったん正常に発達した思考や行動、言語、知覚、判断などの精神機能が慢性的に減退・消失することをいい、症状が進行すると記憶力の著しい低下のほか、これまで出来ていたことが出来なくなり、日常生活・社会生活を送ることが困難になっていきます。

 



認知症の種類と特徴


認知症には様々な種類があり、原因となる病気によって分類されます。

それぞれの種類の特徴や症状の現れ方、進行具合を把握しておけば、対応がしやすくなります。



認知症の種類ごとの割合


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※厚生労働省 「都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応」総合研究報告書より(平成23〜平成24年)

 



アルツハイマー型認知症


どんな種類の認知症?

認知症の患者さんの中でも、もっとも多い種類です。

本来なら分解されるはずの異常たんぱく質の蓄積や神経原繊維の変化によって脳が小さく委縮・変性してしまうために症状が現れます。

記憶を担っている海馬という部分から委縮が始まるのが特徴で、徐々に進行し症状も少しずつ悪化していきます。


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どんな症状?

症状は人により様々ですが、進行具合によりこんな症状が現れます。


初期

・何度も同じ話をする

・直前に起こったことを忘れてしまう

・物を盗まれた、と妄想する

・これまでの日課や興味を持っていたことに関心が持てない

 

中期

・日付や時間、季節などが分からなくなる

・徘徊する

・これまで出来ていた料理の手順が分からなくなる

・言葉の意味が分からなくなったり、物の名前が出てこない

・入浴、排せつなど日常生活に介助を要する

 

後期

・家族の名前が出てこない

・笑顔が見られなくなるなど、表情の変化が乏しくなる

・便や尿の失禁

・コミュニケーション自体困難になる

 

 



脳血管性認知症


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どんな種類の認知症?

脳梗塞や脳卒中など脳血管疾患の発症を契機に脳の神経細胞の一部がダメージを受けて、認知症に移行します。脳のどの部分に障害が起きたかによって症状が異なり、出来ることと出来ないことが比較的はっきりしていることから「まだら認知症」とも呼ばれることも。

脳血管疾患の病状によって、症状が悪化することもあり、大きな脳梗塞や脳出血を発症し急に悪化する人もいれば、軽い脳梗塞を繰り返し徐々に悪化する人もいます。

アルツハイマー型認知症に次いで多い認知症の種類の一つです。

 

 どんな症状?

アルツハイマー型と大きな違いはありませんが、症状の現れ方として特徴的なのが、落ち着いている時に急激に症状が出現したりなど変動が大きくみられます。

また一般的な記憶障害などの認知症上の他に、手足の麻痺や歩行障害、排尿障害、ろれつが回らないなど言語障害を伴うことがあります。

 

 


レビー小体型認知症


どんな種類の認知症?

大脳皮質や脳幹の神経細胞のまわりに、レビー小体という異常なたんぱく質が付着するレビー小体病が原因の認知症です。このレビー小体が大脳に広く付着すると、結果として認知症を発症します。

 

どんな症状?

注意力の低下や視覚認知の障害、記憶障害など認知症状がみられますが、アルツハイマー型認知症と比べて記憶障害は比較的軽度で、一般的な認知症とは認識されにくいといわれています。また実際にはいない小動物や虫、子どもなどの幻覚が出現します。現実的な幻覚症状が特徴です。

その他、歩行障害などのパーキンソン症状や、大声での寝言や眠ったまま行動するなどレム睡眠行動障害などが現れます。

 



前頭側頭型認知症

どんな種類の認知症?症状は?

脳の中の前頭葉(脳の前の部分)と側頭葉(脳の横の部分)の神経細胞が少しずつ壊れていくことで症状があらわれてくる認知症です。初期に現れるのが他人に配慮が出来なくなる、自分勝手に行動してしまう、派手な買い物が急に増えたなど性格の変化で、記憶障害は比較的少ないとされているため、発見が遅れることがあります。若年での発症も比較的多いようです。

 

当院では、認知症の診断・治療を行う「脳の健康外来」の診察を行っています。


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毎週木曜日 8:30〜12:00 受付

医師:酒谷薫


診察は予約不要です。まずはご相談ください。
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以下のページでは、「認知症高齢者への接し方」の記事を公開しています。


認知症高齢者への接し方 BPSD(周辺症状)への対応

認知症高齢者への接し方 日常生活でのトラブルと対処法

〇 認知症高齢者への接し方  徘徊への対応 

認知症高齢者の性格・人格の変化とその接し方

 



キーワード:認知症,種類

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