座ることの重要性
2014.06.11(水)
寝たきりにさせないためには、座ること!
座ることの重要性
 人間の身体をつくっている筋肉は、横紋筋と平滑筋に分けられ、横紋筋はさらに心筋と骨格筋に分けられます。 心臓壁をつくる心筋や食道、胃、気管支などの内臓壁をつくる平滑筋は私たちの意志では動かせませんが、体の運動をつかさどる骨格筋は、意志によってコントロールできます。 私たちが「筋肉」と呼ぶのはこの骨格筋で、これらの筋肉が大脳からの指令により、収縮と弛緩を繰り返して身体を動かしています。 筋肉の活動は動くだけでなく、「立つ、座る」という姿勢にも影響されます。立っていると全身の筋肉が動きます。 寝たきりになるとこの筋肉の働きが悪くなり、関節が固まって動かなくなり、機能が低下してしまいます。 たとえ歩けなくとも、座っているだけで筋肉は活動します。 できるだけ座ることで筋肉の機能低下を防ぎましょう。 座ることの効用は、筋肉の活性化ばかりではありません。食事をとる場合も、少し前かがみ状態の方が誤嚥性肺炎の防止ばかりか、食欲にも差が出てきます。排泄も座った状態の方が腹圧や呪力を活用できるので、スムーズに排便できます。 さらに、寝ている時よりも表情がいきいきしてくるので、顔の筋肉の動きが脳を刺激して、体の免疫力も活性化してきます。 まずは座ることです。
座ることの主な効用

(1)食べやすい 寝たままの姿勢での食事は食べにくいばかりか、誤嚥による肺炎の元になります。少し前かがみになった状態がいちばん食べ物を食べやすい姿勢です。
(2)床ずれが治る いったん床ずれができてしまうと、なかなか治りにくいもの。 日に何回もの体位交換をするよりも、座ることの方がより効果があり、予防にもつながります。
(3)排便しやすい 直腸内の便を押し出す腹圧は「寝ている姿勢」より「座っている姿勢」の方が大きくかかります。 重力も活用できるので、便秘も解消されます。
(4)バランスが良くなる 「座る・立つ・歩く」ために大切な体の前後バランス、左右バランスが向上する。 寝ているとその感覚が鈍ってしまい、低下するばかりです。
(5)筋肉が強くなる 私たちが「筋肉」と呼ぶ骨格筋は骨にくっついて身体を動かします。 座ると背中や首の筋肉に重力がかかって、姿勢を保つように収縮するので、筋肉が強くなります。
(6)その他 〇表情がよくなる 表情は顔面の表情筋が収縮することで現れます。 座ると筋肉に重力がかかり、それに抵抗して眼が開いて口が閉じ、締まった顔になります。
〇血圧調整がよくなる 私たちの身体は、姿勢を変えるたびに全身の血圧を調整しています。 寝てばかりいるとこの機能が低下し、座っただけでめまいを起こしてしまいます。
〇肺活量が増える 寝ていると肺が圧迫され、働きが悪くなります。 座ることで肺が入っている胸部が拡張するので肺活量が増えます。
キーワード:医療情報,座ることの重要性
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