この季節にご注意!! 熱中症について
2012.05.17(木)
最近ニュースで取り上げられています「熱中症」ですが、自分には関係ないと思っていませんか?室内にいるからといって水分を取らないのは危険です。広報誌「小春日和」で昨年取り上げた記事を掲載いたします。
1)熱中症とは 人間の体温は、脳にある視床下部という体温中枢によって一定に保たれるようコントロールされていますが、高温・多湿の環境の中で水分の補給を行わず、長時間活動を続けると体温の上昇や脱水・循環不全を生じます。重症型では脳神経の障害、肝臓・腎臓等内臓の障害、血液機能の障害、筋肉の損傷などが起こり極めて危険な病態となる事もある病気です。
2)熱中症の症状と分類 熱中症は大きく3つに分類されます。症状は次の通りです。 軽症 こむら返り、または立ちくらみだけ 中等症 強い疲労感、めまい、頭痛、吐き気、嘔吐、下痢、体温の軽度上昇の組み合わせ 重症 38℃以上の高熱+脳神経症状(意識消失・錯乱状態・小脳症状・けいれん)+中等症の症状。
治療 軽症 こむら返り等は水分の経口摂取で軽快します。真水よりもスポーツドリンクのように塩分と糖分を含んだものを摂取します。こむら返りが強く持続する時は点滴も有効です。
中等症 中等度以上の脱水と電解質の喪失があるため、直ちに 輸液と暑熱環境の回避、冷却、を必要とします。
重症 死亡の危険性が極めて大きいため、緊急入院です。 [1]深部体温38.5℃以下になるまで身体冷却を行う。 [2]不足している水分を補うための急速な 輸液 [3]障害されている各臓器への対応、がポイントとなります。
処置・予防 「FIRE」と記憶(予防もこれに準じます)しておくとよいでしょう。 F (Fluid) :液体(水+塩分)の 経口摂取、または点滴 I (Ice) :身体の冷却 R (Rest) :運動の休止・涼しい場所で休む E (Emergency):「緊急事態」の認識・119番通報です。
熱中症における臓器障害は脱水に伴う循環障害と高熱の両者によって引き起こされます。臓器障害の抑止には水分補給と体温を下げることがキーポイントとなります。 “FIRE”処置は具体的には次のようになります。
F(Fluid) :スポーツドリンクなど水分を飲ませませる。 意識が混濁していればできるだけ早く点滴を行う。 I(Ice) :衣服を脱がせ、氷嚢等で首筋・腋の下・足の付け根など大きな動脈が触 れる部位を冷却する。 R(Rest) :涼しい場所で休ませる。可能であればクーラーのある部屋へ移す。 E(Emergency):119番通報・救急車の手配。
小春日和80号より
キーワード:熱中症,筋痙攣,水分不足,予防
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