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ワンポイントメディカル ヒートショックにご用心!!

2012.03.01(木)

heat_01.jpgヒートショックとは、急激な温度変化により体が受ける影響のことです。
冬の節電で暖房の使用も増え、急激な温度変化が体に負担を与える「ヒートショック」は、心筋梗塞や脳卒中の原因ともなります。特に高齢者は寒さを我慢せずに、室内寒暖差を少なくする工夫が必要とされます。
ヒートショックは、リビング・浴室と脱衣所・トイレなど、温度変化の激しいところを移動すると、体が温度変化にさらされ血圧が急変し、脳卒中や心筋梗塞などにつながる恐れがあります。少しの工夫家庭内のヒートショックを防ぐことができます。

ヒートショックはどんな人に起こりやすいのか?
ヒートショックを全ての人が起こすわけではありません。では、どのような人にヒートショックが起こりやすいのか?といえば、以下のような人に注意が必要です。
□65歳以上
□高血圧、糖尿病の人・動脈硬化のある人
□肥満気味の人、呼吸に問題がある人(睡眠時無呼吸症候群など)、不整脈がある人
□浴室に暖房設備がない
□一番風呂に入る
□熱いお風呂が好き
□飲酒後にお風呂に入る
この中でも、高齢者と高血圧や糖尿病の人・動脈硬化のある人は、ヒートショックの影響を受けやすいので注意が必要です。また、高齢者の場合、血管がもろくなっているうえ、血圧の上昇幅が大きく脳出血などを起こしやすくなるので、高齢になるとヒートショックの影響も大きくなり注意が必要です。

heat_02.jpgヒートショックの原因
ヒートショックを起こす原因は屋内の温度差です。
暖房の入っている部屋で温められていた身体が、暖房のないトイレや廊下に行くとその温度差によって、血圧の変動や脈拍の変動を起こして心臓により多くの負担をかけてしまいます。このように屋内の温度差が、ヒートショックを起こす大きな原因となっています。
特に、浴室に暖房設備の設置が少ない日本の冬の浴室は、ヒートショックが起こりやすく、冬のトイレもヒートショックが起こりやすい場所になっています。


ヒートショックの予防ポイント
室内の温度差を少なくし、ヒヤッと感じる場所をなくす。


冬の入浴時の注意ポイント
●脱衣室と浴室を暖かく 
脱衣所が寒い場合は、暖房器具を置き脱衣所を暖めて浴室との気温差を減らします。
浴槽にお湯が溜まっている場合、風呂に入る前にしばらく浴槽のフタを開けて浴室の温度を上昇させたり、入浴時にシャワーで洗い場を流すと湯気で浴室内が暖まります。また、浴室の床にマットやスノコを敷いておくことも効果的です。
シャワーで高い位置から浴槽にお湯を溜めることで、シャワーの蒸気が浴室の温度を効率よく上昇させ、浴室内全体を早く温めることができます。

heat_03.jpg● 風呂の温度は、38度〜40度くらいの低めに設定
入浴温度42〜43度の熱い湯は、心臓にかなりの負担がかかりとても危険です。
38度〜40度くらいの低めのお風呂に入るようにしましょう。
入浴温度41度以上になると、浴室事故での死亡者が増加する傾向にあります。

● 高齢者や高血圧の人一番風呂を避ける。 
入浴の際に、一番風呂はまだ浴室が温まっていないのでヒートショックを起こしやすい場所になっています。高齢者や高血圧の人は一番風呂を避け、家族が入ったあとの浴室内が温まったときに入浴するようにしましょう。

室内の温度差によるヒートショックに注意して、無理のない節電をしていきましょう!

<記事提供>
社会福祉法人 南東北福祉事業団
総合南東北福祉センター
http://www.kaigo-hiwada.com/


キーワード:ヒートショック,高血圧,糖尿病,動脈硬化,肥満

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