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介護教室 寝たきり防止のために〜座ることの重要性

2017.05.29(月)

寝たきりにさせないためには、座ることがとても重要です。

身体の運動をつかさどる骨格筋は、大脳からの指令により収縮と弛緩を繰り返して身体を動かしています。

筋肉の活動は動くだけではなく、「立つ、座る」という姿勢にも影響され、立っていると全身の筋肉が働きますが、寝たきりになるとこの筋肉の働きが悪くなり、関節が固まって動かなくなり、機能が低下します。

しかし、たとえ歩けなくても、座っているだけで筋肉は活動します。
できるだけ座ることで筋肉の機能低下を防ぎましょう。

座ることの効用は、筋肉の活性がばかりではありません。食事をとる場合も、少し前かがみ状態のほうが嚥下性肺炎の防止ばかりか、食欲にも差がでてきます。

排泄も座った状態のほうが腹圧や重力を活用できるので、スムーズに排便できます。

まずは座ることです。

 

■座ることの9つの効用■

1.食べやすい
寝たままの姿勢での食事は食べにくいばかりか、誤嚥による肺炎のもとになります。少し前かがみになった姿勢が一番食べやすい姿勢です。
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2.床ずれが治る
日に何回もの体位交換をするよりも、座ることのほうがより効果があり、予防にもつながります。

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3.排便しやすい
直腸内の便を押し出す腹圧は「寝ている姿勢」より「座っている姿勢」のほうが大きくかかります。重力も活用できるので、便秘も解消されます。

 

4.バランスが良くなる
「座る・立つ・歩く」ために大切な身体の前後のバランス。寝ているとそのバランスが鈍るばかりです。

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5.筋肉が強くなる
座ると背中や首の筋肉に重力がかかり、姿勢を保つよう収縮するので、筋肉が強くなります。

6.表情がよくなる
座ると顔の筋肉に重力がかかり、それに抵抗して眼が開いて口が閉じ、締まった顔になります。

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7.血圧調整がよくなる
私たちの体は、姿勢を変えるたびに全身の血圧を調整しています。寝てばかりいるとこの機能が鈍り、座っただけでめまいがします。

8.肺活量が増える
寝ていると肺が圧迫され、働きが悪くなります。座ることで肺が入っている胸部が拡張するので肺活量が増えます。

9.手足の拘縮を予防する
座って重力がかかると、上肢・下肢の筋肉が曲がり、ピンと伸びる方向に固まるのを防いでくれます。

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キーワード:座る,介護,寝たきり防止,南東北春日リハビリテーション病院

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