介護教室 【排泄について】
2009.10.01(木)
便秘の仕組みについて… 「便秘」とは、便が大腸内に長時間停滞し、水分を再吸収することによって固くなり、排便に困難・苦痛を伴う状態をいいます。排便は、1日1回が一般的でありますが、回数だけの問題ではありません。1日に数回の排便があっても少量の固い便しか出ない場合は便秘とされます。便秘は腸に通過障害があるために起こる器質性の便秘と、腸そのものの運動機能が障害されて起こる機能性の便秘があります。 便の形状や他の症状の有無を観察することで、病気の発見に大いに役立ちます。急な便秘の場合、特に嘔吐、吐き気、激しい腹痛を伴う時は腸閉塞(ちょうへいそく)の疑いがあります。
次に下痢について… 「下痢」とは、大腸内で水分が吸収されないまま液状に近い状態で排泄されたものです。 《原因》 (1)腸内容物の刺激…腸内の不消化物が腸内に移送された場合、その刺激によって腸管の運動、腸液の分泌が促進されて発生します。一般的に、消化不良性下痢ともいわれるもので、冷たい飲み物を一度に大量に摂取した場合にみられます。 (2)腸壁の病変…腸壁の炎症、潰瘍、腫瘍等の病変があると、それが刺激となって起こります。 (3)自律神経系の失調…自律神経機能の不均衡、情緒的変化によって、腸の活動や腸液の分泌過剰となり発生します。 (4)腸壁を流れる血液成分の異常…細菌の毒素等が血行を介して腸壁を刺激し、下痢を起こすことがあります。
対応として…激しい下痢が続くことにより多量の水分や電解質が失われ、脱水症状に陥ったり、電解質のアンパランスをきたしたりするため、刺激の少ない飲み物で補水することを心がけてください。
次の症状が発生した場合は、病院を受診する必要があります。尿や便の状態を毎日観察して、あまりにもいつもの違うな…と感じたら、医療機関に相談してみてください。 (1)下痢の程度が非常に激しい。 (2)しぶって頻回にトイレに行く。 (3)激しい腹痛と伴う。 (4)便に血液、または粘液が混入する。 (5)異臭、悪臭が強い。 (6)発熱、嘔吐などを伴う。 (7)全身状態が悪い。
(小春日和第58号より)
キーワード:介護教室,排泄,便秘,下痢
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