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体位交換の重要性とコツ 〜仰臥位(仰向け)から側臥位(横向き)への体位交換〜
2020.07.23(木) ご自宅での介護の際、日常的な援助となる体位交換。
体位交換の必要性 常に同じ勢でベッドに横になっていると、筋肉が衰えて自分で体の向きを変えることが困難となり、体圧が集中した箇所の血流が悪くなります。 褥瘡とは、一定の時間同じ場所に圧力が加わることで、血行が悪化し、周辺組織が壊死した状態をいいます。もともと栄養状態が悪く、身体を自由に動かしにくい方がなりやすいので、一度褥瘡ができてしまうと、完治に時間がかかり利用者さんは痛い思いをし続けなければいけません。褥瘡を予防することはとても重要なのです。 そのために行うことが、体位変換です。
また、仰向けのことを仰臥位(ぎょうがい)と言うなど、それぞれ体位の呼び方があります。スムーズな体位変換を行うには、体位の種類を覚えておくことが大切です。代表的な体位の種類を下記でご紹介しますので、ぜひご確認ください。 代表的な体位の種類 仰臥位(ぎょうがい):仰向けに寝た状態
側臥位(そくがい):横向きに寝た状態
端座位(たんざい):ベッドの端に両足を垂らして腰をかける姿勢 ![]()
仰向け(仰臥位)から横向き(側臥位)への体位交換
はじめに、横向きになることと、ベッドが動くことを伝えます。次に、介護者の身体への負担が少ない位置に、ベッドの高さを調節します。 2)まくらをひいて、むく方向へ顔をむける まくらを引き、利用者さんの顔をむく方向へむけます。 3)両うでを胸の上でしっかりと組む 利用者さんの両うでを胸の上でしっかりと組みます。 4)両ひざを立て、かかとをお尻に近づける 利用者さんの両ひざを高く立てて、かかとをお尻に近づけます。 5)腰とひざに右手を置き、左手は肩を持つ 利用者さんの腰に右手を置き、ひざに右ひじを当てます。左手は利用者さんの肩を持ちます。 6)介護者の右手でひざと腰を倒し、次に左手で肩を起こす 右ひじで利用者さんのひざを倒し、右手で腰を回転させてから、左手で利用者さんの肩を起こします。
体位変換の大事なポイント
介護を受ける人は、介助を行う前に声掛けをしてもらうことで、心の準備ができます。利用者を驚かせてしまったり不安にさせてしまったりして、不快な思いをさせてしまう恐れがないよう、しっかりと声掛けをしましょう。心の準備をしてもらうことができ、安全な介助が行えます。 POINT2 うでを組み、ひざを高くたてる 介護を受ける人のうでを組み、ひざを高くたてることで、ベッドと接する部分が小さくなり、摩擦が少なくなります。そうすることによって、手足を伸ばして寝ている状態よりも、少ない力で介助をすることができます。 POINT3 ひざを倒してから肩を起こす 利用者さんのひざを先に倒すことで、利用者さんの腰が自然とむく方向へ回転するので、少ない力で体位変換をすることができます。介護者にとっても利用者さんにとっても負担の少ない体位変換となります。
気を付けよう!体位交換の注意点
仰向け(仰臥位)から横向き(側臥位)にする方法だけに関わらず、体位交換を行うときは、下記の注意点に気をつけて行いましょう。
【体位交換の注意点】 ●介護者の身体に負担がかからないようにベッドの高さや力加減などを工夫する ●うで組みやひざ立てなど、利用者さんに協力できる部分は協力してもらい、利用者さんの自立に向けた関わりをする
利用者さんと患者さんにとって負担の少ない体位変換を! 介護に携わる人にとって、体位変換は必ず行う介護技術のひとつ。 行う頻度も多いので、負担の少ない方法を身につけておくと身体を痛めずに済みます。力任せに行ってしまうと、自分の身体だけでなく相手の身体も傷つけてしまうことがありますので、気をつけましょう。 利用者さんにとっても介護者にとっても負担の少ない体位変換をマスターして、褥瘡をしっかりと予防しましょう。 <相談を受け付けています> 〇この症状なら何科を受診するの? 〇介護サービス利用について分からないことがある など、病気や施設利用などのご不明な点等あれば、 春日のなんでも相談室へご連絡ください。 メール、電話で受付中です。 こちら⇒ 春日なんでも相談室 受診をご検討なら、南東北春日リハビリテーション病院まで!
記事寄稿:南東北春日リハビリテーション病院
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