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高齢者に多い「せん妄」

2019.06.11(火)

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「せん妄」とは意識障害の一種で、高齢の方によくみられるものです。夜寝ないで興奮し、幻覚が見えたりトンチンカンなことを言って動き回ったり(過活動型)、日中ぼんやりして自分が居る場所や日にち・時間が分からず、注意散漫で話がトンチンカンになりやすい(低活動型)状態となります。

 

認知症やうつ状態と間違われやすい「低活動型」

1)急に症状が出現する

2)1日の中である程度はっきりしている時とひどく混乱している時がみられ、状態がよく変化する

低活動性のせん妄はこのような症状があり、これらの特徴から、間違われやすい認知症・うつとの違いが見分けられます。もちろん意識が曇った状態なので、その間の出来事はほとんど記憶していません。

 

 

せん妄が起こりやすい状態と予防

認知症を含む脳の変化、脳の動脈硬化、脳梗塞などがあると「せん妄」が起こりやすくなります。そのうえに、入院などの環境の変化、不眠、身体疾患による全身状態の悪化やストレスが重なって「せん妄」が引き起こされます。また、睡眠薬、抗不安薬や麻薬系鎮痛剤の服用、断酒によっても引き起こされる危険性があります。

 「せん妄」を予防するためには、夜しっかり眠り、日中は外で日光を浴びて、昼夜のリズムを確保することが重要です。夜眠るために睡眠薬を服用する事がありますが、従来の睡眠薬、特に作用時間の短い睡眠薬は「せん妄」を引き起こす危険性がるので注意が必要です。

 

「せん妄」の治療は鎮痛剤などを用いて夜しっかり眠ってもらい、昼はしっかり覚醒を保って昼夜のリズムを確保することで行われます。夜寝ないで興奮する、日中ぼんやりして話がトンチンカンでかみ合わないなどの状態がみられたら、出来るだけ早く精神科に相談してください。

 

※南東北グループ広報誌「南東北」326号より抜粋

※阿武隈時報社 家庭の医学 掲載







 



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