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ワンポイントメディカル 節電対策で要注意!! 室内の熱中症予防

2011.07.05(火)

mini_kango.jpg東日本大震災に伴い日本の電力不足が問題となっています。
節電のためにできるだけ電気を使わない、エアコンの消費電力を抑えるために暑さを我慢・・・なんてことも・・・しかし、我慢も注意しないと室内で熱中症になってしまいます。そこで、熱中症予防のアドバイス。健康への注意もしながら元気に夏を過ごしましょう!!
熱中症は、炎天下でスポーツをしたり、作業をしているときに起こる病気という印象がありますが、節電が叫ばれるこの夏は、特に多くなる可能性が高いので注意が必要です。

室内にいても熱中症になることがあります
暑い室内にいると、つい冷たい飲み物がほしくなってきます。過剰に摂取すると胃腸が冷えたりして、消化の働きが落ちて食欲不振や下痢などを起こしかねません!!逆に、水分のとり方が足りないということにも注意しなければなりません。
暑い室内などで大量に汗をかくと体液や塩分が少なくなり、脱水状態となります。脱水状態になると栄養素や酸素の運搬、老廃物の排出、体温調節などさまざまな機能の働きが低下し、めまいや立ちくらみ、頭痛などいろいろな症状が現れます。高温の環境の下で起こるこれらの症状を総称して「熱中症」といいます。

夏かぜなどの感染症や皮膚のトラブルに注意
暑い夏は皮膚のトラブルにも注意が必要です。汗を多くかいてそのままにしておくと、毛穴にアカやホコリ、皮脂などがつまって吹き出物や肌荒れの原因になります。特に子どもは、毛穴も小さいのでアカなどがたまってあせもができやすくなるので注意しましょう。   
また、水虫菌が増殖しやすくなるのも高温多湿のこの時期です。いつも以上に、皮膚を清潔にすることを心がけましょう。

口の渇きに関係なく、定期的に水分の補給を
脱水症や熱中症を防ぐには、水分の補給を心がけることがなにより大切です。静かに過ごしているときは麦茶や普通の水を、大量に汗をかいているときはスポーツドリンクなどを喉の渇きの有無にかかわらず、定期的に飲むようにすることが大切です。普段でも睡眠中にコップ1杯程度(約180cc)の汗をかくといわれます。節電で室温が高いともっと増えるので、就寝前と起床時にも十分な水分をとるようにしましょう。
なお、暑い中でキンキンに冷えたビールは美味しいので、ビールで水分補給したからと思っても安心してはいけません。アルコールやカフェインを含む飲み物には利尿作用があるので、実際には水分補給にはなっていません。

≪汗をかいたら脱水症状のサインに注意し、充分な水分の補給を!≫
人間の体は、半分以上が水分で占められています。体内の水分を10%失うと、脱水による様々な症状が現れ、15%の水分がなくなると、生命が危険な状態になります。重症に陥る前に、早め早めに水分を補給するようにしましょう。

≪1日に約1.2ℓの飲み物が必要≫
成人の1日に必要な水分量は約2.5ℓ。食品に含まれる水分で約1ℓくらいは補給でき、さらに体内で栄養素が燃えるときに生じる水分が0.3ℓ程度あります。したがって、1.2ℓ程度の飲み物で補っていく必要があります。

≪汗をかいたり、下痢をした時には充分な水分補給を≫
運動してたくさん汗をかいたときや、発熱や下痢、嘔吐をしたときは、水分が不足しがちです。特に乳幼児やお年寄りは脱水状態に陥りやすいので早め早めに水分補給を心がけてあげましょう。また、水分が不足すると血が濃くなって血管がつまり、脳梗塞・心筋梗塞をおこしやすくなりますので、お年寄りは特に注意が必要です。

≪脱水状態のサイン≫
口の渇き、頭痛、吐き気、めまい、皮膚の乾燥、体温上昇、倦怠感、目がくぼむ、尿が減るなど。

≪水はゆっくり噛むように飲みましょう≫
いくら口が渇いたからといって急にがぶ飲みせずに、ゆっくり噛むように飲みます。コップに1〜2杯飲んだら10〜15分程度間隔をあけて、まだ口が渇くようならまた飲むようにしましょう。市販のスポーツ飲料は、ミネラルや糖分が含まれており、水よりも早く体に吸収されます。10℃程度に冷やした状態がもっとも早く吸収されると言われています。



汗を吸収する寝具などで快眠の工夫を
暑い夏だからこそ、寝具などにも配慮しましょう。麻や綿のシーツ、タオルケットなどは吸湿性や通気性に優れた素材のものを選ぶとよいでしょう。
電力不足でクーラーの半分の消費電力ですむと大人気の扇風機。しかし、風に長時間、直接あたっていると、逆に汗が通常以上に蒸発し、体がだるくなったりして体が冷えたりします。寝るときにはタイマーをセットし、風が体に直接あたらないように首振り設定にするなど、扇風機の使い方にも注意をしましょう。

昼寝のススメ
夜、なかなか寝つかれず睡眠不足となったときは、昼寝で寝不足を解消しましょう。ただし、昼寝は15〜20分程度が効果的。寝すぎると目が覚めてもだるさが残ったりしてしまうので注意をしましょう。
ワンポイントメディカル 効率アップ!理想的な昼寝の仕方
http://www.kaigo-hiwada.com/blog/001173.html

生活の中に「涼」の知恵を上手に取り入れる
夏を涼しく過ごすために、今話題のグリーンカーテンを取り入れてはいかがですか?
ゴーヤやキューリなどの植物を植えてグリーンカーテンをつくったり、すだれを利用したりして日陰をつくるのも良い方法です。特にグリーンカーテンは、食材として利用できますので、一石二鳥です!!

脱水症・熱中症のチェックと対処法について
1)足や腕、腹部などの筋肉が強度の痛みを伴ってけいれんする
2)めまいや立ちくらみがする
3)脈が速く、弱くなる
4)拭いても拭いても汗が出てくる
5)顔面蒼白である
1)〜5)に当てはまるものが1つでもある場合:軽度の脱水症・熱中症
軽度の脱水症・熱中症の対処法
涼しいところへ寝かせ、衣服をゆるめるか、あるいは脱がせてください。水分を与え、風を送るなどして体を冷やしてください。

6)頭がガンガンする
7)からだがぐったりして、だるい
8)吐き気や嘔吐がある
9)喉が異常に渇く
6)〜9)に当てはまるものが1つでもある場合:中度の脱水症・熱中症

中度の脱水症・熱中症の対処法
涼しいところへ寝かせ、衣服をゆるめるか、あるいは脱がせる。そして、水分を与え、風を送るなどして体を冷やし、あわせて、わきの下や太ももの付け根を氷などで冷やして、専門家による診察を受けましょう。症状が改善しない場合は、ただちに救急車を呼ぶことが必要です。
 
10)ふらふらする
11)意識がもうろうとする
12)意識を失って倒れる
13)体に触ると熱い
10)〜13)に当てはまるものが1つでもある場合:重度の脱水症・熱中症
重度の脱水症・熱中症の対処法
重度の脱水症・熱中症は危険な状態。ただちに救急車を呼びましょう。また、救急車が到着するまでは、涼しいところに寝かせて、水分を与え体を冷やすようにしてください。

 

〈情報提供〉
社会福祉法人 南東北福祉事業団
総合南東北福祉センター
http://www.kaigo-hiwada.com/


キーワード:東日本大震災,節電対策,昼寝のススメ

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