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トランス脂肪酸を食べるとどうなる?健康への影響は?マーガリンは食べていいの?

2013.12.21(土)

脂質は、私たちの細胞膜を構成するために必要な栄養素であり、エネルギー源のひとつです。
しかし、その脂質の内容にまで関心をもつ方は少ないのではないでしょうか。

トランス脂肪酸を知っていますか?
トランス脂肪酸とは、脂質を構成する脂肪酸の種類のひとつです。
WHOでは、肥満、2型糖尿病、がん、心疾患などに対する食事による影響の研究を行いそれらの疾病の注意喚起を行っていますが、そのなかでもトランス脂肪酸は、心疾患のリスクを高める影響があると提言されています。

トランス脂肪酸って?
トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸である植物油に“水素添加”をして飽和脂肪酸へ転換した際に、飽和脂肪酸にならなかった異分子です。
(不飽和脂肪酸に水素添加をすると、酸化を予防し食品のもちがよくなるといわれているためこのような加工を行ってます)


トランス脂肪酸は、以下のような食品に含まれています。
・マーガリン

・ケーキや菓子パン、コーン系スナック菓子など脂質を多く含むおやつ

・コーン系スナック菓子

・ファストフード店の揚げ物(カラッとした食感を長続きさせるため揚げ油はショートニングを使用してることが多い)


・コーヒーポーション

トランス脂肪酸はマーガリン、ショートニング、クリームポーションなどの製造時に発生します。
くり返し加熱された天ぷら油にもトランス脂肪酸は発生します。
日持ちの良い食品として過程で使用されているサラダ・天ぷら油にも添加されたものが流通しています。
新品でもトランス脂肪酸は含有されています。
食用油の中でも比較的トランス脂肪酸が少ないのは米油と言われています。


マーガリンは食べてはいけない?
この中でも、特に含有率の多い食品がマーガリンです。
これまで、なんの根拠もなしにバターは動物性、マーガリンは植物性だから、バターは体に悪くてマーガリンは体に優しいなどという俗説がまかり通っていました。
マーガリンの別名は「食べるプラスチック」。窓際に何年置いても光・空気・自然にある細菌その他にさらしても少しも変化しません。
カビも生えないし、昆虫が卵を産み付けることもなければ、ネズミが食べることもゴキブリが寄ってくることもない驚異の食品です。

food_toast.png

マーガリンのようなトランス脂肪酸を多く含む食品を継続的に食べると・・・

(1)消化酵素の働きを妨害する
(2)血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増やし、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を減らす。
(3)筋肉細胞を変化させ、肥満を招く。
(4)アトピーなどアレルギーを誘発するといった研究報告も

これらの影響の後、動脈硬化や心疾患へ移行する可能性が高まるとされています。

例えば1日1回パンに塗って食べる程度は問題はないと言われています。
マーガリンに含まれるトランス脂肪酸が健康に及ぼす影響はあまり心配する必要はないかもしれません。
ですが、前述した通りマーガリン以外にも様々な食品に含まれ食品の欧米化も進み、脂質の摂取量も増えていることから、健康のために食生活を見直す必要はありそうです。





 

 


キーワード:トランス脂肪酸,健康への影響,マーガリン,食べるプラスチック

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