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ワンポイントメディアカル 気胸 【胸痛がする・呼吸がしにくく、咳がでる】

2012.02.02(木)

ワンポイントメディアカル 気胸 【胸痛がする・呼吸がしにくく、咳がでる】

kikyo_01.jpg気胸とは肺から空気がもれて、胸腔にたまっている状態をいいます。
肋骨があるため、胸は風船のように外側に膨らむことができず、肺が空気に押されて小さくなってしまいます。


■症状 
  kikyo_02.jpg呼吸をしても大きく息を吸えない、激しい運動をすると呼吸ができなくなるなどの呼吸困難、酸素飽和度の低下、頻脈、動悸、咳などがみられます。
発症初期は肩・鎖骨辺りの違和感、胸痛や背中への鈍痛がある場合があります。痛みは人によって様々で、全く感じない人もいれば軽度の気胸で激痛を感じる人もいます。
 

■自然気胸
kikyo_03.jpg 理由もなく穴が開いてしまった場合は自然気胸と呼びます。10歳代後半〜30歳代のやせ気味で胸の薄い男性に多く起こります。多くはすぐに穴が閉じられ、漏れた空気は血液に溶け込んで次第に消失します。
緊急性がない場合の初期段階では安静にするのみで自然治癒を待ちます。無理な姿勢・運動、無理な呼吸をしないようにします。
 

■続発性自然気胸
kikyo_04.jpg 肺気腫や肺がんのように何か肺の疾患があり、これが原因となって起こる場合は続発性自然気胸と呼ばれます。比較的、高齢者に多く起こります。
 


 

 

■緊張性気胸
kikyo_05.jpg 胸腔に漏れ出した空気が、反対側の肺や心臓を圧迫している状態を緊張性気胸と呼びます。生命に危険のある状態で、血圧低下、ショック状態となり、緊急に胸腔穿刺の処置を行わなければいけません。緊張性気胸による呼吸困難に対し、人工呼吸は禁忌です。胸腔内圧を更に上げてしまうことになり、肺の虚脱がすすみます。
 

 

予後について
自然気胸で自然治癒した後も、再発を繰り返す場合や反対側にも起こる場合があります。人によって違いは様々ですが、もともと肺疾患などがある場合はさらに難治性となります。治療後も暫くは安静が必要です。気道内に大きな圧力がかかる、飛行機への搭乗(自動車・バスでも峠越えなど)や、スキューバダイビングなどは事前に医師へ相談してください。喫煙も厳禁です。
 
<記事提供>
社会福祉法人 南東北福祉事業団
総合南東北福祉センター
http://www.kaigo-hiwada.com/


キーワード:気胸,自然気胸,外傷性気胸,医原性気胸,胸痛,呼吸困難

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