南東北春日リハビリテーション病院
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医療用放射線についてのQ&A
2010.02.02(火)
放射線検査は、病気の発見・治療に必要不可欠です。放射線被爆による影響ばかりを心配する傾向がありますが、放射線は医療になくてはならないものです。医療で使われている放射線は少ない量で安全であるように、医師・放射線技師によりしっかり管理されていますので安心してご利用ください。
≪Q1≫放射線は有害と聞きました。検診を毎年受けていますが、大丈夫でしょうか?
≪A≫1回の胸部撮影での入射表面線量は0.2mGyです。この程度の被ばく線量ではなんらかの影響が現れることはありません。安心して検査を受けてください。
≪Q2≫X線写真は1回に何枚まで撮影しても大丈夫なのですか?
≪A≫1回のX線検査で撮影する枚数制限は特にありません。病気の発見や治療の経過観察をするためなど、医師が判断した必要最小限の枚数分だけ撮影されます。
人の身体は、とても複雑な構造をしているので、X線検査をする部位やその人の病状などによって、いろいろな方向から撮影することがあります。通常は正面と側面の2方向以上のX線写真を観察することで、人体の患部を立体的に把握しています。より複雑な患部であったり、より精密な観察が必要な場合には、さらに多くの枚数を撮影します。医学の進歩とともに放射線診療技術も進歩し続けているので、現在のX線検査では以前のX線検査に比べて1回に受ける放射線量もかなり少なくなっています。身体の異常や治療の経過などを正確に検査する必要がある場合には、枚数の心配をすることなく安心してX線検査を受けてください。
≪Q3≫X線検査は1年間に何回まで撮影しても大丈夫ですか?
≪A≫検診は、自覚症状のない多くの健康な人々が定期的に受けるという点で通常の検査とは大きく意味が異なりますが、病気の早期発見・早期治療という立場から重要な意味を持つ検査です。また現在、病気で医療機関を受診されている方は、病態の把握と経過観察という利益がはるかに大きいので、必要な検査は回数を心配せずに受けることをお勧めします。
≪Q4≫X線検査のときに、衣服を脱がなければいけないのはどうしてですか?
≪A≫X線検査は物質のX線吸収の差で画像をつくり出します。その差は、主に物質の原子番号に関係するのですが、人体を構成する物質の吸収差を微妙に表すため衣服の線維によってその陰を写し出すこともあります。また、体に張った湿布薬や磁気などを忘れている場合もあるため、このようなときも事前に除去してから撮影することが必要です。また、体内の臓器を体の表面の目印となる部位から推察して写真を撮るため、体の表面が露出しているほうが位置を決定することが容易になります。これらのほかになんといっても、再撮影によるむだな被ばくを極力避けるために精密検査は衣服を脱いで検査を行うほうがよいでしょう。病院などで用意された検査着は、あらかじめ陰などが出ないような繊維を用いているため安心して検査が受けられます。
≪Q5≫放射線を受けると白血病やがんになりやすいと聞きますが、本当でしょうか?
≪A≫白血病は骨髄の造血細胞の異常増殖であると考えれています。したがって造血臓器である赤色骨髄が被ばくいなければ、白血病の発生はまったく心配ありません。通常のX線検査では白血病が発生するような線量を赤色骨髄が受けることはないので、白血病になる可能性はほとんどないと考えてよいでしょう。がんについても、大量の放射線を受けるとがんになる確率が高くなりますが、それが放射線のために発症したというのが明らかにわかる線量が診断レベルで用いられることはありません。
≪Q6≫妊娠中にX線検査を受けた場合の危険(リスク)について教えて下さい。
≪A≫X線の身体への影響はX線を受けた体の部位と線量に依存します。妊娠中の胎児への影響は胎児が直接X線を受けた場合のみ問題となります。胎児のリスクは胎児死亡(流産)、奇形児の発生、精神発達の遅延、小児がんの発生、出生児の遺伝的影響などがありますが、被ばく線量と胎児の月齢によっても影響は異なります。胎児の確定的影響のしきい値は100mGyと言われています。
≪Q7≫胃のX線検査を受けた後で妊娠がわかり、胎児への影響が心配です。
≪A≫妊娠初期には本人も気づかないまま、X線検査を受けて腹部に被ばくしてしまうことがあります。その場合、おそらく受胎後2〜6週の時期であると考えられます。この時期は主要器官の形成期であり、奇形発生の可能性が考えられますが、この検査による被ばく線量は4〜10mGyと推定され、奇形発生のしきい値の1/10程度ですので、胎児への影響を心配する必要はありません。
≪Q8≫妊娠中に歯のX線検査を受けても大丈夫ですか?
≪A≫妊娠中の場合、大量の放射線を浴びると胎児に影響することが報告されています。そのため、下腹部や股関節の撮影など胎児が放射線を浴びる可能性が高いX線検査においては、緊急に行う必要にある場合を除いて、できるだけ避けるようにしなければなりません。しかし、歯科のX線検査については、胎児がX線を浴びる可能性はほとんどなく、胎児の被ばく線量は無視できるほど低いものです。歯科診療におけるX線検査は、装置の普及率も高く、日常的に容易に行われています。この検査でX線が照射される範囲は顔面や頚部に限られるので、妊娠中であっても胎児に影響が出るようなことはありません。
≪Q9≫生殖腺に放射線を受けると子供ができなくなるのですか?
≪A≫かなり高い放射線を被ばくしないかぎり、一時的であっても不妊になることはありません。つまり、少しでも被ばくしたら不妊になる可能性があるのではなく、一定の線量以上被ばくしないと不妊にならないのです。また、不妊になる放射線の量については多くのデータがあり、一時的不妊と永久不妊になる線量がわかっています。男性が150mGy、女性では650mGy以上被ばくしない限り、一時的にも不妊になることはありません。なお、不妊になるのは生殖腺が上記の線量を被ばくした場合だけで、身体の他の場所を被ばくしても不妊にはなりません。通常のX線検査で男性、女性ともに、生殖腺が上記の線量以上被ばくすることはありませんから、生殖腺が直接被ばくしたとしても不妊になるようなことはありません。
(放射線科)
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